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慢性便秘症のQ&A

便秘ってどんな病気なの?

便秘 「お腹が痛い」などの症状で来院される方の多くが「便秘症」によるものです。
「でも、毎日便は出てますけど・・・」とおっしゃって検査をすると、お腹の中にはたくさんの便がたまっていることがよくあるそうです。

慢性便秘は「週3回未満の排便回数の減少」がある又は「排便困難」を呈すること、と定義されています。
つまり毎日便がでていても「排便困難」があれば便秘症となってしまいます。
便の回数が低下してくると、便が硬くなる→お腹がはる・お腹が痛くなる→排便困難で残便感(便が残った感じ、排便してもスッキリしない感じ)、便の回数の増加、などを引き起こします。

便秘の症状は?

便秘による症状は、人によって異なりますが、ほとんどはこんな症状が便秘のサイン?

・お腹が張って苦しい。 ガスが溜まっているようでおならがよく出る。
・排便をしても、スッキリせずまだ残っているような不快感。
・水分不足で便が硬くなり、出しにくい。 出てもコロコロした便。
・便意はあるのに、なかなか出ない。 ...
・硬い便をいきんで出そうとして肛門の粘膜が裂けて痛みに。

便秘の原因は?

排便は、大腸が蠕動(腸が動くこと)することで便を直腸へ送り出し、便が直腸にたどり着くと直腸肛門機能によって排便反射が起こることで、排便が起こります。
この“大腸の蠕動が低下すること”と“排便反射が低下すること”で便秘となります。

便秘の検査と診断

<大腸通過時間検査>
様々な方法がありますが,私は,患者さんにX線非透過性のマーカーが20個入ったカプセルを飲んでいただき、5日後にお腹のレントゲン写真を1枚撮影する1回法で検査を行います。
大腸の中にどれくらいマーカーが残っているかによって、便が大腸を通過するのに要している時間がわかります。
実際には、自宅でカプセルを1個内服して頂いた後,120時間(5日)後に病院に来て頂いて,お腹のレントゲン写真を1枚撮影し(腹部X線検査),大腸内に残っているマーカーの数を数え、20個のうち4個以上大腸に残っていれば、大腸通過遅延型と判断します。

<排便造影検査>
バリウムと小麦粉を混ぜて,やや柔らかい便と同じ程度にした擬似便を患者さんの直腸に注入して便座に座っていただき、排出するところを撮影します。
10〜15秒で擬似便の全量が排出されるのが正常な状態です。
この検査によって,排便困難感や残便感を訴える患者さんの,その原因や実際の排便状態が分かります.たとえ軟便でもスムースに排便が出来ず,排便困難や残便感を生じる状態を便排出障害を言いますが,その原因は多数あります.以下で,骨盤底筋協調運動障害と直腸瘤という代表的な便排出障害の原因を解説します。

<骨盤底筋協調運動障害>
普段便がもれないのは、内肛門括約筋が肛門を締めているのと同時に、恥骨直腸筋(ちこつちょくちょうきん)という筋肉がある一定のテンション(張力)をかけて直腸を折り曲げ、角度をつけているからです。
この肛門と直腸が作る角度を肛門直腸角と言います。
排便時には腹圧をかけると同時に恥骨直腸筋に力を入れずに緩めるので、直腸の角度が鋭角から鈍角になり、便が肛門を押し広げて排泄しやすくなります。
つまり私たちは腹圧をかけるためにお腹には力を入れながら、お尻の筋肉の力を抜くという一種の協調運動(別々の動作を同時に行う運動)を無意識のうちに行って排便をしています。
これが骨盤底筋(こつばんていきん)協調運動です。

便秘の治療方法

①生活習慣
・生活リズムの改善
生活リズムを整えることで、自律神経が整い、規則正しい排便につながります。

・適度な運動
適度な運動を行うことで、腸の動きが促されます。運動が難しい方は、お腹のマッサージなどでも腸の動きを促すことができます。

・便意を我慢しない
排便を我慢することが多いと、便秘症が悪化しやすくなります。便意を感じた時には我慢せず、トイレに行くようにしましょう。
・水分摂取
水分をしっかりとることで、便がやわらかくなり、排便がしやすくなります。

・食生活の改善
1日3食を規則正しく食べることで腸の活動が促されます。また、乳酸菌などのプロバイオティクスや食物繊維を摂取することも便秘症の改善には有効です。

乳酸菌などはヨーグルトや乳酸菌飲料などに含まれています。

食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があります。
不溶性食物繊維は穀物や豆類・きのこ・芋類・野菜・果物などに多く含まれていて、腸を刺激し、排便を促す働きがあります。
ただし、もともと便が硬い人などが不溶性食物繊維を大量に摂取すると逆に便が硬くなり便秘が悪化してしまうこともありますので、摂取量には注意が必要です。

◎不溶性食物繊維を多く含む食品

野菜類
穀類
豆類
小麦ふすま
熟していない果物
ココア
きのこ
酵母
えびの殻
かにの殻
水溶性食物繊維は海藻やこんにゃく、大麦などに多く含まれていて、水に溶けて便を柔らかくしてくれる働きがあります。便秘症の方は特に意識して摂取するようにしましょう。

◎水溶性食物繊維を多く含む食品

熟した果物
海藻
大麦
里いも
こんにゃく(こんにゃくの原料は水溶性ですが、食用に市販されているこんにゃうは不溶性です)
②薬物療法
便秘症の薬は大きく分けると、非刺激性下剤、刺激性下剤の2つに分けられます。

・非刺激性下剤
便を柔らかくすることで排便を促す薬です。酸化マグネシウム、ルビプロストン、リナクロチドなどの薬があります。

・刺激性下剤
腸のぜん動を促して、排便を促す薬です。センノシドやピコスルファートナトリウムなどの薬があります。

非刺激性下剤と、刺激性下剤の両方の働きをもっているエロビキシバット水和物という薬もあります。

便秘症の治療の基本は非刺激性下剤を毎日飲んでいただき、1~2日に1回もしくは、1日2回程度までの普通便がでるように調整することになります。
非刺激性下剤で排便コントロールがつくまで、もしくは非刺激性下剤だけでは排便コントロールがつかない時に頓用で刺激性下剤を飲んでいただきます。

刺激性下剤を長期間内服していると、慣れてきてしまい、効果が弱くなってしまう場合があります(これについては異なる意見もありますが)ので注意が必要です。

また、病院・診療所でよく処方されており、市販薬にもある酸化マグネシウムですが、長期間投与されていると血中のマグネシウム濃度が上昇し、血圧低下や徐脈などの合併症を起こすことがります。
腎機能が悪い方や、高齢の方で起きやすくはなりますが、それ以外の方でもまれに起こることがあるので、長期間酸化マグネシウムを飲まれている方は定期的に血液検査で血中マグネシウムの濃度を測定することが望ましいです。



病気のQ&A

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その他のQ&A(よくある質問の一例)

Q. 治験は安全ですか?

A.治験では、国の基準に沿って患者様の安全に配慮した綿密な治験実施計画書に基づいて慎重に進められます。
治験に至るまでの試験では、生体への安全性を確認しています。

Q. 休薬期間はどのくらい必要ですか?

A.一般的に治験の条件として、3ヶ月~4ヶ月となります。治験によっては、6ヶ月という場合もあります。
治験は試験によって全て異なりますので、必ずご予約時にご確認ください。

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治験体験談

治験ボランティア初参加 20代男性

男性体験談 はじめて、「メディカルボランティアネットワーク」 より治験ボランティアに参加しました。最初は本当に怖い・危ないというイメージがありましたが、病院にいって見ると普通のちゃんとした病院でした。
4泊5日×2回の治験ボランティアに参加しました。入院生活 開始となったのですが、日に数回の採血を含めた検査のみ!もちろん制限はありましたが、残りは自由時間でゲーム三昧でした!!ほんと拍子抜けしてしまいましたが、また是非機会があれば参加したいと思います。


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